本書旨在探討南北朝時期的室町幕府的諸問題。首先著眼於幕府的具體政策,解明初代將軍足利尊氏與其弟直義的體制、直義所發之下文、仁政方的權限、奉行人依田時朝的事蹟等。第二,嘗試重新探討南北朝的歷史觀。考察中國思想帶給『太平記』歷史觀的影響,以及其歷史觀在近世、近代南北朝認識上的作用。舉例,本書將會點出,雖說有近世以後尊氏以及幕府執事高師直一直被定位成惡人的通論,然而給予他們高度評價的史觀依然根深蒂固等事情。
本書は、南北朝期の室町幕府をめぐる諸問題を検討する。第一に、幕府の具体的な政策に注目し、初代将軍足利尊氏と弟直義の体制、直義が発給した下文、仁政方の権限、奉行人依田時朝の事蹟などを解明する。第二に、南北朝期の歴史観について再検討を試みる。中国の思想が『太平記』の歴史観に与えた影響、およびその歴史観が近世・近代の南北朝認識に及ぼした作用を考察する。たとえば、近世以降尊氏や幕府執事高師直が悪人とされたとするのが通説であるが、彼らを高く評価する史観も依然として根強かったことなどを指摘する。