インドの八月十五日: 帝国の儀式と記念日から見たインド近現代史

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なぜインドの独立記念日は8月15日なのか

現代インドの国の祝日である、イギリスからの「独立記念日」がなぜ、日本の終戦記念日と同じ8月15日なのか。インド社会の忠誠儀礼であるダーバー（ダルバール）を巧みに援用した、イギリスによる「インベリアル・ダーバー」の歴史を紐解きながら、最後のインド副王兼総督マウントバッテン卿による、1947年8月15日をメディア・イベント化した英領インド帝国の幕引きまでの流れを追うインド近現代史。図版・地図多数収録。
【主要目次】
■序章 一九四五年と一九四七年の八月十五日
■第１章 八月十五日はインドの独立記念日なのか
第１節 イギリスとインドの一九四五年八月十五日
第２節 英領インド帝国の落日
第３節 英領インド帝国の後衛戦
第４節 一九四七年八月十五日に向けて
第５節 インドのいちばん長い日、一九四七年八月十四日から十五日
■第２章 英領インド帝国女帝ヴィクトリアの誕生
第１節 インド大反乱からインドの大憲章へ
第２節 アルバート王太子のインド公式訪問
第３節 「国王称号法」制定
第４節 一八七七年のインペリアル・アセンブリッジ
■第３章 インド副王兼総督ジョージ・カーゾンと一九〇三年インペリアル・ダーバー
第１節 最盛期イギリス帝国の政治家、カーゾン
第２節 カーゾンの描くインペリアル・ダーバーのシナリオ
第３節 一九〇三年インペリアル・ダーバーの実施と反響
第４節 イギリス首相になれなかった男
■第４章 ジョージ五世の一九一一年インペリアル・ダーバー
第１節 ジョージ王太子の世界情勢認識
第２節 国王兼皇帝とインド人民衆の儀礼を通した出会い
第３節 一九一一年ダーバーの余波とニュー・デリー造営
第４節 英領インド軍兵士の動員と王室
■第５章 帝国のもう一方の主役、インド人藩王たち
第１節 最後のシーク王国国王ドゥリープ・シング
第２節 ジョドプール藩王国摂政プラタープ・シング
第３節 バローダ藩王国国王サヤージー・ラーオ・ガーイクワード三世
■第６章 マハトマ・ガンディーの影に脅えて
第１節 エドワード王太子のインド公式訪問
第２節 ジョージ五世による帝国護持の努力
第３節 エドワード八世のダーバー回避と自主的退位
第４節 ジョージ六世のダーバー回避の理由
第５節 第二次世界大戦とマウントバッテンの抜擢
■第７章 「インド共和国の日」の制定
第１節 マハトマ・ガンディーの死
第２節 インドの再度の独立の日、一九五〇年一月二十六日
第３節 「共和国の日」の政治儀礼
第４節 インド共和国とネルー＝ガンディー王朝
■第８章 英領インド帝国の残照と現代インド
第１節 百年後の一九一一年インペリアル・ダーバー
第２節 帝国の都から国民国家の首都へ
第３節 二つの八月十五日に挟まれた二年間

あとがき
参考文献一覧